ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

夕張市の市指定記念物

ページID:0001704 更新日:2024年1月15日更新 印刷ページ表示

夕張シューパロダム湖周辺の橋梁群とその景観

(ゆうばりしゅーぱろだむこしゅうへんのきょうりょうぐんとそのけいかん)

概要

 大夕張ダムのダム湖周辺には、旧三菱大夕張鉄道や旧森林鉄道橋梁群として25の橋梁が確認されており、貴重な産業遺産であると同時にシューパロ湖の景観を構成する重要な要素ともなっている。これらの中には、国内では夕張のみでしか確認できない貴重な構造を持つ橋梁が数多く含まれ、特に1958年(昭和33年)完成の「三弦橋(旧夕張岳森林鉄道第1号橋梁)」は、全長381mの四角すいで結合され、上部接点が回転自在のピン接合の「トラス構造」になっており、鉄道橋では国内で初めて採用されたものとされている

答申文(平成24年6月22日に夕張市文化財保護委員会より提出されたもの)

 現在の大夕張ダムのダム湖周辺には、かつて夕張市の地域経済を支えた石炭産業や森林産業に係わる森林鉄道橋梁など、数多くの貴重な産業遺産があり、現在、工事が進められている夕張シューパロダムが完成すると、これら橋梁のほとんどはダム湖に沈むこととなる。
 夕張市は炭鉱の町であるとともに、豊かな天然の森林資源にも恵まれた、北海道でも有数の林産地域であった。
 林業は炭鉱の坑道を支える坑木や、住宅の建設にも大量に使用された針葉樹を産出し、その輸送のための森林鉄道は1934年(昭和9年)に導入され、後に自動車輸送に転換し1966年(昭和41年)に廃止されている。
 夕張に残される旧森林鉄道線跡には、国内では夕張のみでしか確認できない貴重な構造を持つ橋梁が数多くあり、特に「三弦橋(旧夕張岳森林鉄道第1号橋梁)」は1958年(昭和33年)に完成、全長381メートルの四角すいで結合され、列車が通る断面は三角形で、上部接点が回転自在のピン接合の「トラス構造」になっており、鉄道橋では国内で初めて採用されたものとされている。
 基本設計は、大夕張出身の故・有江義春氏(当時北海道開発局建設部道路課橋梁係長)が担当し、夕張には縁の深い人物であった。
 また、「幻の橋」といわれている「九十九式重構桁鉄道橋(旧夕張岳森林鉄道第5号橋、第6号橋)」は、旧日本陸軍が所有していた応急橋の鉄道橋であり、現存する同一構造の橋梁は国内でも他に例がない。
 第5号橋は全長37.56メートル(一重構造)、第6号橋は102.35メートル(二重構造)で、ピンで結合されながら全溶接された三角形のパネルを組み合わせ、単純な構造でありながらも、必要な強度を持った特殊な橋梁である。
 また、「旭沢橋」は、大夕張炭鉱の石炭輸送を担った旧三菱大夕張鉄道の鉄道橋梁として、南部地区にある保存車輌と併せ、夕張市の産業遺産の一つでもある。
 これらを含め、大夕張ダムのダム湖周辺には旧三菱大夕張鉄道や旧森林鉄道橋梁群として25の橋梁が確認され、歴史的、技術的な価値を有すると同時に、1960年代以降の夕張市民には馴染み深い、大夕張を代表するシューパロ湖の景観を構成する重要な要素ともなっていた。
 夕張シューパロダムの完成後はこれらの橋梁は水没するものの、現状のままで残置し、その記憶を広く伝えることにより、ありのままの地域遺産として継承され、数年に一度姿を現す機会とともに、初期の大夕張ダムのダム湖として当時の景観を示すものとなる。

種別

記念物
(注釈)以下の区分無し。

所在

夕張市鹿島

所有者

なし

指定年月日

平成24年9月21日

皆さまのご意見をお聞かせください

お求めの情報が十分掲載されていましたか?
ページの構成や内容、表現は分かりやすかったですか?
この情報をすぐに見つけられましたか?
Adobe Reader<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)