○夕張市消防警防規程

平成31年2月20日

消本訓令第2号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 警防業務

第1節 警防勤務(第5条―第8条)

第2節 警防調査(第9条―第16条)

第3節 警防計画(第17条―第21条)

第4節 警防訓練(第22条・第23条)

第3章 警防活動体制

第1節 消防部隊の編成(第24条―第28条)

第2節 職員の招集(第29条―第33条)

第3節 指揮体制(第34条―第40条)

第4節 任務(第41条―第43条)

第5節 出動(第44条―第48条)

第6節 消防長等の出動(第49条・第50条)

第4章 災害現場における警防活動

第1節 通則(第51条―第64条)

第2節 火災防御活動(第65条―第68条)

第3節 救急活動(第69条)

第4節 救助活動(第70条)

第5節 その他の警防活動(第71条―第74条)

第6節 現場分析(第75条・第76条)

第7節 消防通信体制(第77条)

第5章 特別警戒及び非常配備体制

第1節 特別警戒(第78条・第79条)

第2節 非常配備体制(第80条・第81条)

第6章 消防応援体制(第82条)

第7章 雑則(第83条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「組織法」という。)及び消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)その他の法令の規定に基づき、各種災害から市民の生命、身体及び財産を保護し、被害の軽減を図るために行う警防業務及び警防活動について必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 火災、危険物等の流出若しくは爆発又は暴風、豪雨、豪雪、地震その他の異常な自然現象により生ずる被害(救助又は救急業務を要する事故により生ずる被害を含む。)をいう。

(2) 非常災害 大規模な火災、水災、震災その他の大規模な災害をいう。

(3) 警防調査 消防地理及び消防水利(以下「地水利」という。)並びに消防対象物等の実態を把握するために行う調査をいう。

(4) 警防業務 警防調査、警防訓練、警防計画の作成その他警防活動を円滑に実施するための業務をいう。

(5) 警防訓練 警防活動の万全を期すための訓練をいう。

(6) 警防計画 警防活動を円滑に実施するために作成する計画をいう。

(7) 警防活動 災害が発生したときの防御活動若しくは被害の拡大を防止するための活動又は災害の発生を警戒し、若しくは防止するために行う活動その他これらに附帯する活動をいう。

(8) 現場最高指揮者 災害現場において警防活動の統括指揮を行う者をいう。

(9) 鎮圧 有炎現象が終息した状態をいう。

(10) 鎮火 現場最高指揮者が、消防隊による消火活動の必要がなくなったと認めた状態をいう。

(11) 現場指揮本部 警防活動全般を統括する指揮拠点をいう。

(12) 消防通信 災害通報、指令、現場速報その他の消防に関する通信をいう。

(警防責任)

第3条 消防長は、警防業務及び警防活動を統括し、消防職員(以下「職員」という。)を指揮監督する。

2 次長は、消防長を補佐し、職員を指揮監督して、警防業務及び警防活動の全般について掌握し、その警防体制の万全を期さなければならない。

3 消防署長(以下「署長」という。)は、夕張市消防本部及び消防署設置条例(昭和55年条例第9号)で定める管轄区域内(以下「管内」という。)における警防業務及び警防活動を統括し、職員を指揮監督して、その警防体制の万全を期さなければならない。

4 警防課長は、署長を補佐し、管内における警防業務及び警防活動を掌理し、職員を指揮監督して、当該業務の効率的運用に努めなければならない。

5 主幹は、管内の警防業務及び警防活動を掌理し、当該業務及び活動の効率的な運用に努めなければならない。

6 職員は、上司の命を受けて警防業務及び警防活動に積極的に従事しなければならない。

(安全管理)

第4条 警防活動又は警防訓練の実施時における安全管理に関する事項は、夕張市消防安全管理規程(昭和61年消本訓令第1号)の定めるところによる。

第2章 警防業務

第1節 警防勤務

(勤務の指定)

第5条 署長及び警防課長は、毎日の警防業務及び警防活動に必要な人員を確保し、必要な事項を指示しなければならない。

2 当務隊長は、前項の警防業務及び警防活動に必要な人員を確保できないときは、必要な措置をとらなければならない。

(点呼)

第6条 当務隊長は、当務職員に対して点呼を実施するとともに、警防業務の内容その他の事項について確認し、必要な指示をしなければならない。

(勤務交代時の引継ぎ)

第7条 勤務交代時の引継ぎに関する事項は、夕張市消防職員服務規程(昭和55年消本訓令第2号)第9条の規定によるものとする。

(消防機械器具の点検整備)

第8条 消防長は、その所管に係る消防機械器具について、警防業務及び警防活動に支障の出ることがないよう、職員に点検整備を行わせなければならない。

2 消防機械器具の点検整備に関する事項は、夕張市消防機械器具管理規程(平成7年消本訓令第1号)の定めるところによる。

第2節 警防調査

(管内の掌握)

第9条 署長は、管内の地水利及び消防対象物について、掌握しておかなければならない。

(警防調査)

第10条 署長は、警防活動を効率的に実施するため、次に掲げる区分により、職員に警防調査を実施させるものとする。

(1) 通常調査 職員が定期的に行う調査

(2) 特別調査 署長が特に必要と認めたときに調査区域及び調査事項等を指定して行う調査

(水利の基準)

第11条 水利の基準は、消防水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号)によるものとする。

(水利の整備)

第12条 消防長は、水利の整備を推進するとともに、必要があると認めるときは、署長に対し整備に必要な措置をとるよう指示しなければならない。

2 署長は、水利の整備対策上必要と認められる事項が生じたときは、これを消防長に報告するとともに、その指示に従い必要な措置をとらなければならない。

(水利の保全)

第13条 署長は、災害時に水利を有効に使用できるよう管内の水利の保全に努めなければならない。

(水利の指定等)

第14条 消防長は、法第21条第1項の規定に基づく水利を指定したとき若しくは指定を取り消したとき又は故障等の障害を知ったときは、署長に通知するとともに必要な措置を講じなければならない。

(水利の設置に係る協議)

第15条 消防長は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第32条の規定に基づく協議を求められたときは、水利の充足状況及び防災上の安全を考慮し、協議するものとする。

(標識の設置)

第16条 水利については、原則として標識を設置し、その位置及び名称等を明示しておくものとする。

第3節 警防計画

(警防計画の目的)

第17条 警防計画は、警防活動上重要な消防対象物の実態を把握し、これに対応する警防対策を事前に定めることによって、災害等が発生したときに最も効果的な警防活動を行い、被害の軽減を図ることを目的とする。

(警防計画の区分)

第18条 警防計画は、次に掲げるとおり区分する。

(1) 特殊対象物警防計画 中高層建築物、避難行動要支援者施設その他の特殊建築物で、その構造、形態、用途が特殊なものであるため、災害が発生したならば警防活動に困難を伴うと認められるものについて定める計画

(2) 危険地域警防計画 木造建物が密集する地域又は水利が不足する地域で、火災が発生したならば延焼拡大する危険度の高い地域について定める計画

(3) その他必要な警防計画

(警防計画の作成)

第19条 署長は、管内における効率的な警防活動の実施に資するため、前条の警防計画を作成しなければならない。

(警防計画の承認)

第20条 署長は、警防計画を作成したときは、消防長の承認を得なければならない。

2 前項の規定は、警防計画を変更し、又は廃止する場合に準用する。

(警防計画の周知徹底)

第21条 署長は、警防計画を作成又は変更したときは、計画の内容について職員に周知徹底しなければならない。

第4節 警防訓練

(警防訓練の区分)

第22条 警防訓練は、その実施目的に応じ、次に掲げるとおり区分する。

(1) 基本訓練 警防活動の基本技術及び行動の習熟を図るために行う訓練

(2) 図上訓練 警防計画、災害想定図又はこれらに類するものを利用して、警防活動の技術及び行動の習熟を図るために行う訓練

(3) 応用訓練 基本訓練及び図上訓練の応用により、警防活動の技術及び行動の習熟を図るために行う訓練

(4) 消防長査閲 前3号に規定する訓練の成果を確認し、災害を想定した総合的な警防活動の技術及び行動の向上を図るために行う訓練

(5) その他の訓練 前各号に定めるもののほか、警防活動の技術及び行動の習熟を図るために行う訓練

(警防訓練の実施)

第23条 消防長は、消防活動に必要な知識、技術等を習熟させるため、計画的な訓練を署長に実施させるものとする。

2 署長は、警防訓練を随時行うよう訓練計画を作成し、当該計画に基づき実施するものとする。

第3章 警防活動体制

第1節 消防部隊の編成

(消防部隊の編成)

第24条 消防部隊は、消防隊(救助、はしご兼任)及び救急隊をもって編成する。

2 消防部隊の編成は、災害に応じて消防隊からの乗換で編成する。

3 消防長又は署長は、災害の対応のため必要と認めるときは、特別の任務をもった隊を編成することができる。

(消防部隊の種別及び任務)

第25条 消防部隊を編成する各隊の種別及び任務は、次に掲げるとおりとする。

(1) 消防隊 災害における警防活動全般を主たる任務とし、消防自動車毎の編成に基づく次に掲げる任務とする。

 タンク車 水槽付消防ポンプ及び救助資機材を装備した消防自動車に乗り組む隊員をもって編成し、災害全般にわたる警防、救助活動を任務とする。

 大型水槽車 小型動力ポンプ及び1万リットル以上の水槽を装備した消防自動車に乗り組む隊員をもって編成し、消火活動を任務とする。

 ポンプ車 消防ポンプを装備した消防自動車に乗り組む隊員をもって編成し、災害全般にわたる警防活動を任務とする。

 はしご車 はしごを装備した消防自動車に乗り組む隊員をもって編成し、高所における警防活動を任務とする。

(2) 救急隊 救急資機材を装備した救急車に乗り組む隊員をもって編成し、救急活動を主たる任務とする。

(3) その他特命等により編成された隊 特命等を受けた職員をもって編成し、当該特命等を主たる任務とする。

(隊長の指名)

第26条 消防部隊の各隊に隊長を置き、その指名は、次に掲げるとおりとする。

(1) タンク車の隊長は、当務隊長又は当務副隊長の管理職とする。

(2) 大型水槽車の隊長は、消防司令補以上の階級にある者のうちから当務隊長が指名する。

(3) ポンプ車の隊長は、消防司令補以上の階級にある者のうちから管理職の上席者が指名する。ただし、必要と認めるときは、消防士長の階級にある者のうちから指名することができる。

(4) はしご車の隊長は、消防司令補以上の階級にある者のうちから当務隊長又は管理職の上席者が指名する。

(5) 救急隊の隊長は、消防士長以上の階級にある者のうち救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士、救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定するもの及び消防法施行令(昭和36年政令第37号)第44条第3項各号に掲げる者(以下「救急有資格者」という。)のうちから、当務隊長が指名する。

(隊員の指名)

第27条 消防部隊の各隊の隊員の指名は、次に掲げるとおりとする。

(1) 消防隊の隊員は、当務隊長が指名する。

(2) 救急隊の隊員は、救急有資格者である職員のうちから、当務隊長が指名する。

2 当務隊長は、前項の隊員のうちから、あらかじめ機関員を指名しておくものとする。

3 機関員の指定について必要な事項は、夕張市消防用自動車等運行要綱(平成30年消本訓令第1号)の定めるところによる。

(指名の掲示)

第28条 当務隊長は、第26条及び前条の規定により指名を行った場合は、交替前に所定の掲示板に掲示しなければならない。

第2節 職員の招集

(招集)

第29条 消防長は、火災等が発生し、若しくは発生が予想されるとき又は特別警戒等のため必要と認めるときは、職員を招集するものとする。

2 署長は、火災等が発生し、急を要すると認めるとき又は訓練等のため必要があると認めるときは、消防長の承認を得て職員を招集することができる。

(招集適用除外職員)

第30条 招集は、次の各号のいずれかに該当する職員に対しては、特に必要がある場合を除き適用しないものとする。

(1) 休職中又は停職中の職員

(2) 病気休暇、特別休暇又は介護休暇中の職員

(3) 出張中の職員

(4) その他消防長が特に理由あると認めた職員

(招集の種別)

第31条 招集の種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 非常招集 火災等の災害及び非常災害が発生し、又は発生のおそれがあるとき、その警防活動のため必要な職員を招集する。

(2) 演習招集 消防活動に対する訓練又は教養その他必要と認めたとき、職員を招集する。

(招集方法)

第32条 招集の方法は、サイレン吹鳴、加入電話、携帯電話、その他適切な方法によるものとする。

(参集)

第33条 職員は、招集の命を受けたときは、それぞれ指定された場所に参集し、上司の指示を受けなければならない。ただし、交通遮断その他特別の事由により指定された場所に参集することができなくなったときは、最寄りの消防分団詰所、市役所等へ参集し、署長に報告して、その指示に従うものとする。

第3節 指揮体制

(指揮体制の区分)

第34条 災害現場における指揮体制の区分は、次に掲げるとおりとする。ただし、災害の種別及び規模に応じ、これらの指揮体制による必要がないと認められるときは、この限りでない。

(1) 第1指揮体制 当務隊長又は各隊長が現場指揮をする体制

(2) 第2指揮体制 現場指揮本部(以下「指揮本部」という。)を設置し、署長、警防課長が消防部隊の現場指揮をする体制

(3) 第3指揮体制 前各号の指揮体制では対応し難い場合、消防長が総括指揮をする体制

2 前項の規定による指揮体制の代行者は、次に掲げるとおりとする。

(1) 第1指揮体制 署長が指名する者

(2) 第2指揮体制 警防課長

(3) 第3指揮体制 次長

3 第44条に規定する出動種別及び第45条に規定する出動区分ごとの指揮体制は、別表第1に定めるとおりとする。

(指揮命令系統)

第35条 災害現場における指揮命令系統は、原則として次のとおりとする。

画像

(現場最高指揮者)

第36条 警防活動時の現場最高指揮者は、臨場の上席者とする。

(指揮本部の編制)

第37条 指揮本部は、署長、警防課長及びその他署長が必要と認める者で編成する。

(指揮宣言)

第38条 現場最高指揮者は、災害現場における指揮権を明確にするため、指揮宣言をしなければならない。

2 災害現場における指揮権は、前項の指揮宣言をもって移行する。

(指揮本部の設置等)

第39条 現場最高指揮者は、第2指揮体制以上の指揮体制をとる災害現場においては、指揮活動の拠点として、消防部隊の活動状況及び災害状況の把握に最も適した位置に指揮本部を設置するものとする。ただし、災害の状況等に応じ、指揮本部を設置しないことができる。

2 指揮本部の活動を統括するため、指揮本部に現場指揮本部長(以下「指揮本部長」という。)を置き、現場最高指揮者をもって充てる。

3 指揮本部は、指揮本部長の引揚げ宣言をもって解散する。

(状況報告)

第40条 現場最高指揮者は、上席の指揮者が火災等現場に到着したとき、速やかに火災等の状況及び警防活動の状況を報告しなければならない。

第4節 任務

(指揮本部の任務)

第41条 指揮本部の任務は、次に掲げるとおりとする。

(1) 被災状況の把握

(2) 消防部隊の活動状況の把握

(3) 消防部隊の増強又は削減の判断

(4) 消防部隊の配備

(5) 活動方針の決定

(6) 消防部隊の安全管理

(7) 法第23条の2及び第28条の規定に基づく警戒区域の設定範囲の決定

(8) 災害情報その他警防活動に必要な情報、資料の収集及び報告

(9) 避難命令

(10) 現場広報

(11) 前各号のほか、署長、警防課長が必要と認める事項

(署長の任務)

第42条 署長は、消防部隊を統括指揮し、前条に定める指揮本部の任務を遂行しなければならない。

(隊長等の任務)

第43条 消防部隊の各隊長は、署長又は指揮者の命を受けて副隊長及び隊員を指揮し、警防活動に従事する。

2 副隊長は、隊長の命を受けて警防活動に従事するものとし、隊長に事故あるとき又は隊長が欠けたときは、その職務を代行する。

3 隊員は、隊長又は副隊長の命を受けて警防活動に従事する。

第5節 出動

(出動の種別)

第44条 消防部隊の出動の種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 火災出動

(2) 救急出動

(3) 救助出動

(4) 特殊救急救助出動

(5) 警戒出動

(6) 支援出動

(7) 調査出動

(8) 応援出動

(9) 風水害出動

(10) その他出動

(出動区分)

第45条 消防部隊の出動区分は、次に掲げるとおりとする。

(1) 第1出動 火災、救急、救助等の事象を覚知したときの出動

(2) 第2出動 現場最高指揮者が、災害の規模等により第1出動では対応が困難と判断し、更に消防部隊の増強の指示又は要請を行ったときの出動

(3) 第3出動 現場最高指揮者が、災害の規模等により第2出動では対応が困難と判断し、更に消防部隊の増強の指示又は要請を行ったときの出動

(出動体制)

第46条 消防部隊の出動体制は、別表第2のとおりとする。

2 消防部隊の出動は、別に定める出動計画による。

(特命出動)

第47条 消防長又は署長は、必要と認めるときは、第45条各号の出動区分にかかわらず、特別の任務をもった消防部隊を編成又は待機中の消防部隊に特命出動を命ずることができる。

(出動指令)

第48条 消防部隊の出動は、原則として、出動指令により行う。ただし、緊急措置を必要とするときは、この限りでない。

2 前項において、出動指令によらず出動した場合には、その旨を速やかに通信指令員に通報しなければならない。

第6節 消防長等の出動

(消防長等の出動)

第49条 消防長は、第3指揮体制を必要とするとき又は災害の状況等により必要と認めたときに出動する。

2 消防本部に勤務する職員は、災害の状況等により消防長が必要と認め、命じたときに出動する。

(署長の出動)

第50条 署長は、第2指揮体制を必要とするとき又は災害の状況等により必要と認めたときに出動する。

第4章 災害現場における警防活動

第1節 通則

(警防活動の原則)

第51条 災害現場における警防活動は、被害の軽減を目的とし、次に掲げる原則によらなければならない。

(1) 人命の安全を最優先とすること。

(2) 現場最高指揮者の統括指揮の下に、統制ある活動をすること。

(3) 災害の状況、推移等を的確に把握し、効率的かつ安全な活動をすること。

(4) 各隊相互間の連携を密にし、消防機械器具及び消防対象物の設備を効果的に活用すること。

(先着隊の行動)

第52条 先着隊は、災害現場において、主として次に掲げる事項に留意して行動しなければならない。

(1) 人命救助の最優先

(2) 早期の情報収集

(3) 現場到着時の速報及び後着隊への支援情報の伝達

(4) 延焼防止

(5) 消防部隊の増強の有無の早期判断

(後着隊の行動)

第53条 後着隊は、災害現場において、主として次に掲げる事項に留意して行動しなければならない。

(1) 先着隊との連携による人命救助の実施

(2) 災害の推移状況の早期判断

(3) 前号の判断に基づく部署位置の決定

(4) 警戒区域の早期設定及び周知

(5) 警防活動中の現場速報

(現場判断)

第54条 現場最高指揮者は、災害の状況から判断し、増強部隊の要請その他状況に応じた的確な初動措置を行わなければならない。

(現場速報)

第55条 現場最高指揮者は、次に掲げる事項を通信指令員に速報しなければならない。

(1) 現場到着、指揮宣言及び指揮本部の設置の状況

(2) 災害の種別及び災害発生場所並びにその周辺の状況

(3) 指揮本部の強化及び消防部隊の増強の要否

(4) 死傷者、行方不明者又は要救助者の情報

(5) 警戒区域の設定状況

(6) 火災の鎮圧、鎮火又は警防活動の終了

(7) 前各号のほか、必要と認める事項

(活動中の緊急措置等)

第56条 法第29条の規定に基づく消防対象物及び土地の使用、処分又は使用制限は、必要最小限にとどめなければならない。

2 法第29条第2項及び第3項(これらの規定を法第36条において準用する場合を含む。)の規定による措置は、現場最高指揮者が行うものとする。

3 現場最高指揮者は、前項に規定する措置をとるときは、可能な限り当該消防対象物及び土地の関係者の同意を求めるものとする。

(警戒区域の設定)

第57条 法第23条の2及び第28条(法第36条において準用する場合を含む。)の規定に基づく警戒区域の設定範囲については、次に掲げるとおりとし、災害の状況、気象状況等から合理的に判断して現場最高指揮者が決定する。

(1) 火災警戒区域 ガス、火薬又は危険物(以下「ガス等」という。)の漏えい場所が屋内にある場合は、その対象物の周囲から、ガス等の漏えい場所が屋外にある場合にあっては、当該漏えい場所からそれぞれ半径約100メートルを超える範囲に設定する。

(2) 消防警戒区域 火災による人命の危険、災害現場活動の障害等に配意し、設定する。

2 前項の設定範囲は、災害の規模、周囲の状況に応じ、設定範囲を変更することができる。

(現場交代)

第58条 現場最高指揮者は、警防活動が長時間に及ぶと予測されるときは、隊員の疲労度を考慮し、現場交代の措置をとるものとする。

(現場引揚げ)

第59条 消防部隊の引揚げは、当該現場最高指揮者の指示による。

2 出動した消防部隊の各隊は、災害現場から帰署したときは、使用ホースの補充及び消防機械器具の点検整備を行い、次の出動に備えなければならない。

(現場保存)

第60条 現場最高指揮者は、火災原因調査を容易に実施できるようにするため、現場の保存に努めるものとする。

(出動指令対象以外の災害を発見したときの措置)

第61条 消防部隊の各隊の隊長は、出動途上において出動指令の対象となった災害以外の災害を発見したときは、直ちに通信指令員及び現場最高指揮者に通報するとともに、原則として現場最高指揮者の指示に従い、必要な措置をとらなければならない。ただし、緊急を要する場合においては、必要な措置をとった後において報告するものとする。

(任務遂行不能時の措置)

第62条 消防部隊の各隊の隊長は、車両の故障及び交通事故等により任務を遂行することが困難となったときは、直ちに通信指令員及び現場最高指揮者に通報するとともに、必要な措置をとらなければならない。

(被害調査)

第63条 消防長及び署長は、警防活動の実施中又は終了後に、災害等被害状況の調査を実施させるものとする。

(出動報告)

第64条 消防部隊は、災害等に出動し警防活動を行った都度、各種出動報告書により消防長へ報告するものとする。

2 各種出動報告書は、署長が別に定める。

第2節 火災防御活動

(火災防御活動の原則)

第65条 火災防御活動は、人命の安全確保を最優先とし、延焼の阻止及び火勢の早期鎮圧を図り、被害を最小限度にとどめることを原則とする。

(鎮圧及び鎮火の決定)

第66条 鎮圧及び鎮火の決定は、現場最高指揮者が行う。

(再燃防止)

第67条 現場最高指揮者は、再燃火災を防止するため万全を期さなければならない。

(水損防止)

第68条 現場最高指揮者は、消防部隊に水損防止に留意した消火活動を行わせるものとする。

第3節 救急活動

(救急活動の原則)

第69条 救急活動は、傷病者の観察及び必要な応急処置を行い、症状に応じて医療機関その他適切な医療を行うことができる場所に搬送することを原則とする。

2 救急活動に関し必要な事項は、別に定める。

第4節 救助活動

(救助活動の原則)

第70条 救助活動は、人命検索、避難誘導等危険な状態にある者を安全な場所へ救出するための措置をとるとともに、必要に応じて応急処置を行うことにより、被害を最小限度にとどめることを原則とする。

2 救助活動に関し必要な事項は、別に定める。

第5節 その他の警防活動

(異常気象時等活動の原則)

第71条 異常気象時等活動は、市民の生命及び財産を保護するため、消防力の効率的活用を図り警防活動を展開し、暴風、豪雨、豪雪その他異常気象時による被害を最小限にとどめることを原則とする。

(水防活動の原則)

第72条 水防活動は、人命の安全確保を最優先とし、河川等の警戒巡視に当たるとともに、重大な被害の発生のおそれのあるときは、速やかに予想される被害の程度に応じた体制に移行して、水災による被害を最小限にとどめることを原則とする。

(震災活動の原則)

第73条 震災活動は、人命の安全に直接関係する地域、施設等を最優先とした火災防御活動、救助活動及び救急活動を行い、震災による被害を最小限にとどめることを原則とする。

(補給活動)

第74条 消防長及び署長は、職員に対し、給食、飲料水、燃料その他警防活動用の資機材について補給活動を命ずることができる。

第6節 現場分析

(現場監察)

第75条 消防長及び署長は、災害の程度に応じ、現場監察を行い、警防活動の問題点を指摘し、及び資料を分析し、以後の警防活動に積極的に反映させるものとする。

(検討会)

第76条 消防長及び署長は、警防活動のうち特に必要があると認めるものについては、当該活動を行った者その他関係者の出席を求め、検討会を開催し、以後の警防活動に反映させるものとする。

第7節 消防通信体制

(消防通信の原則)

第77条 消防通信は、指令業務及び通信業務に従事する者の密接な連携のもとに、通信機器の効果的な活用により、災害状況を迅速に掌握し、警防活動に関する必要な指令、通信統制及び情報の収集伝達を行い、警防活動の効率的な運用を図ることを原則とする。

2 消防通信の業務に関し必要な事項は、別に定める。

第5章 特別警戒及び非常配備体制

第1節 特別警戒

(特別警戒の実施)

第78条 消防長及び署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、特別警戒の実施を発令する。

(1) 火災警報が発令されたとき、又は北海道空知総合振興局からの通報により、林野火災の発生のおそれがあると認められるとき。

(2) 洪水警報又は水防警報が発令されたとき。

(3) 全市的に災害が発生するおそれがあると認められるとき。

(4) 前各号のほか、警防対策上特に警戒の必要があると認めたとき。

(特別警戒発令時の措置)

第79条 署長は、特別警戒下にあっては次に掲げる事項について留意し、警戒体制を強化しなければならない。

(1) 職員に対して特別警戒の周知徹底をすること。

(2) 消防機械器具を点検整備させ、出動及び警防活動に支障のないようにすること。

(3) 警戒を要する区域を指定して職員を巡回させ、管内の状況を把握すること。

(4) その他必要に応じ警防活動を早急に実施し、被害を最小限にとどめること。

第2節 非常配備体制

(非常配備体制)

第80条 消防長は、夕張市災害対策本部長から夕張市地域防災計画及び夕張市国民保護計画に基づく非常配備の指令を受けたときは、その指令に応じた非常配備体制の発令をしなければならない。

2 非常配備に関し必要な事項は、夕張市地域防災計画、夕張市国民保護計画及び職員初動対応マニュアルに定めるところによる。

3 災害発生時は、消防団と連携を密にして活動にあたること。

(災害情報連絡体制)

第81条 特別警戒の実施時又は非常災害時においては、迅速かつ的確な情報の収集及び伝達に努めるとともに、消防部隊が行う警防活動に関する指令を徹底させることにより、効率的な警防活動の確保を図らなければならない。

第6章 消防応援体制

(応援出動)

第82条 消防長は、組織法第39条の規定に基づく北海道広域消防相互応援協定(平成3年2月13日締結)による応援要請に応じて市長が応援隊の出動を決定したときは、速やかに消防部隊を応援出動させるものとする。

2 消防長は、組織法第44条の規定による消防庁長官又は北海道知事の求めに応じ、又はその指示に基づき、市長が北海道外の市町村の消防の応援のため応援隊の出動を決定したときは、速やかに消防部隊を応援出動させるものとする。

3 前2項の規定による消防隊の応援出動に関し必要な事項は、別に定める。

第7章 雑則

(委任)

第83条 この規程について必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、平成31年3月1日から施行する。

別表第1(第34条関係)

指揮体制区分表

出動種別

出動区分

第1出動

第2出動

第3出動

火災

建物火災

第2指揮体制

第3指揮体制

車両火災

第1指揮体制

第2指揮体制

林野火災

第2指揮体制

規模等に応じて第3指揮体制

船舶火災

第1指揮体制

第2指揮体制

航空機火災

第2指揮体制

規模等に応じて第3指揮体制

特殊火災

第2指揮体制

規模等に応じて第3指揮体制

その他の火災

第1指揮体制

第2指揮体制

救急

救急出動

第1指揮体制

救助

救助出動

第1指揮体制

第2指揮体制

交通救助

第1指揮体制

第2指揮体制

水難救助

第2指揮体制

山岳救助

第2指揮体制

特殊救急救助

特殊救急救助出動

第2指揮体制

第3指揮体制

警戒

警戒出動

第1指揮体制

支援

救急支援出動

第1指揮体制

航空機支援出動

第1指揮体制

調査

調査出動

第1指揮体制

応援

応援出動

第1指揮体制

第2指揮体制

風水害

風水害出動

第1指揮体制

第2指揮体制

第3指揮体制

その他

危険排除出動

第1指揮体制

行方不明者捜索出動

第2指揮体制

その他出動

第1指揮体制

備考

1 災害の規模や特殊性、その他災害の状況等を総合的に勘案し、消防長が必要と認めるときは、指揮体制を変更することができる。

2 指揮本部の運用については、毎日勤務時間(8時45分から17時30分)とする。ただし、災害の規模、状況等により署長が必要と認めるときは、これを変更することができる。

別表第2(第46条関係)

出動体制

出動種別

出動基準(災害等事象)

火災

建物火災出動

建築物の火災を覚知したときの出動

車両火災出動

車両の火災を覚知したときの出動(特殊火災出動に該当するものを除く。)

林野火災出動

森林、原野又は牧野(市街地にあるものを除く。)の火災を覚知したときの出動

船舶火災出動

船舶の火災を覚知したときの出動

航空機火災出動

航空機の墜落等による火災を覚知したときの出動

特殊火災出動

車両火災のうち、列車、乗合バス等の火災若しくは多重衝突事故(5台以上の車両の衝突事故をいう。)による火災又はトンネル内での火災を覚知したときの出動

その他の火災

前項目以外の火災を覚知したときの出動

救急

救急出動

救急活動を要する事象を覚知したときの出動

救助

救助出動

救助活動を要する事象を覚知したときの出動(交通救助、水難救助、山岳救助に該当するものを除く。)

交通救助出動

交通救助を要する事象を覚知したときの出動

水難救助出動

水難救助を要する事象を覚知したときの出動

山岳救助出動

山岳救助を要する事象を覚知したときの出動

特殊救急救助

特殊救急救助出動

航空機の墜落事故、列車の事故、乗合バスの事故若しくは車両の多重衝突事故(5台以上の車両の衝突事故をいう。)又は負傷者が10人以上発生した救急若しくは救助活動を要する事象を覚知したときの出動(火災出動に該当するものを除く。)

警戒

警戒出動

1 火災と紛らわしい事象を覚知したときの出動

2 ガス漏れ事故を覚知したときの出動

3 燃焼機器内における異常燃焼を覚知したときの出動

4 危険物又は危険物質(引火・発火危険性)の漏えいを覚知したときの出動

5 火災警報器等の発報を覚知したときの出動

6 緊急通報システム(センサー)の発報を覚知したときの出動

7 その他前項目に類する事象を覚知したときの出動

支援

救急支援出動

救急活動を要する事象で、救急活動支援のため消防部隊の出動を要する事象を覚知したときの出動

航空機支援出動

ヘリコプターの場外離着陸に伴う支援のため消防部隊の出動を要する事象を覚知したときの出動

調査

調査出動

1 災害の調査

2 燃焼機器内における異常燃焼後の調査

3 原因不明の異臭等調査(小規模の漏油含む~灯油、軽油、エンジンオイル等)

4 緊急通報システムによる発報原因等の調査

5 大雨等による河川の増水、土砂崩れ、浸水等の危険区域の調査

6 その他前項目に類する事象を覚知したときの出動

応援

応援出動

1 北海道広域消防相互応援協定に基づく応援要請があったときの出動

2 緊急消防援助隊運用要綱に基づく出動要請があったときの出動

3 胆振東部消防組合消防本部との申し合わせ事項に基づく道東自動車道の区域で発生した火災、救急及び救助事故等を覚知したときの出動(管内は除く。)

風水害

風水害出動

水災、洪水、暴風雨、豪雨、地震等の自然災害により被害が発生し、又は発生のおそれがあることを覚知したときの出動

その他

危険排除出動

公共危険、人命危険及び財産を損なう危険が予想される事象を覚知したときの出動

行方不明者捜索出動

災害によらない行方不明者の捜索、その他これらに類する事象を覚知したときの出動(山岳救助出動に該当するものを除く。)

その他出動

前項目以外の事象を覚知したときの出動(防火指導、安否確認、駆除等)

備考

現場最高指揮者は、各種災害の規模、態様等により必要に応じて特命により、出動隊又は消防車両の変更又は増強をすることができる。

夕張市消防警防規程

平成31年2月20日 消防本部訓令第2号

(平成31年3月1日施行)

体系情報
第12編 防/第4章
沿革情報
平成31年2月20日 消防本部訓令第2号